ジョバンニはこんやもはたらく。
ジョバンニが学校の門を出るとき、同じ組の七八人は家へ帰らずカムパネルラをまん中にして校庭の隅の桜の木のところに集まってゐました。それはこんやの星祭に青いあかりをこしらへて川へ流す烏瓜を取りに行く相談らしかったのです。
けれどもジョバンニは、銀河の祭りの飾り付けをする町の家々をあとに、活版所へ働きに行く。おとなにからかわれたり、何度も目をぬぐったりしながら、夕方6時過ぎまで活字を拾う。そして小さな銀貨をもらうのだ。
ジョバンニは俄かに顔いろがよくなって威勢よくおじぎをすると台の下に置いた鞄をもっておもてへ飛び出しました。それから元気よく口笛を吹きながらパン屋へ寄ってパンの塊を一つと角砂糖を一袋買ひますと一目散に走りだしました。
※上部の文字は劇場アニメ「銀河鉄道の夜」サントラ(細野晴臣)収録曲のタイトル。エスペラントで書かれている。せっかく不気味な活版所描いたのに、ジョバンニで隠れちゃった。
- 制作日
- 2001-10-16
- 画材
- 鉛筆、Photoshop6.0
book data
- 作者 / アーティスト
- 宮澤賢治
- 題名 / 収録物
- 「宮澤賢治全集 7」 ちくま文庫 (amazon.co.jpで ISBN:448002008Xを見る)
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