ジョバンニの憂鬱。
「ではみなさんは、さういふふうに川だと云はれたり、乳の流れたあとだと云はれたりしてゐたこのぼんやりと白いものがほんたうは何かご承知ですか。」
ジョバンニはちょっと手を手を上げかけたのだけども、いざ先生に当てられるとなぜだか答えられない。それではとカムパネルラが指名されたが、彼もまたなぜだかもじもじして答えないのだ。ジョバンニは危うく泣きそうになった。あれはみんな星でできているんだ、ぼくもカムパネルラも知っているのだ。いつか二人で本にあった美しい写真をながめたのだから。このごろぼくは朝も午後も仕事がつらいので、カムパネルラは気の毒がってわざと答えなかったのだ―
「では今日はその銀河のお祭なのですからみなさんは外へでてよくそらをごらんなさい。では今日はこゝまでです。本やノートをおしまひなさい。」
※実際にはまだ明るい夕方のはずだが、最初の1枚はどうしても銀河っぽくしたくてこうなっちゃいました。
- 制作日
- 2001-10-15
- 画材
- 鉛筆、PainterClassic1.0、Photoshop6.0
book data
- 作者 / アーティスト
- 宮澤賢治
- 題名 / 収録物
- 「宮澤賢治全集 7」 ちくま文庫 (amazon.co.jpで ISBN:448002008Xを見る)
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