ちょっと遠くの川で今日も。
ここに描いてある魚は、上からメダカ、イトモロコ、タモロコ、ヨシノボリ。子どものころ遊んだ、ドブ同然の近所の川にはいなかったかもしれない。ハヤ(クチボソ、モツゴとも)とニシキゴイとフナは確実にいたけど。あとは各種小さいゲンゴロウにミズスマシ。田んぼにはカブトエビとホウネンエビ。イトモロコやタモロコと戯れた記憶はないのに、なぜか懐かしい気がするのは、集団幻想にとっつかまっているのかな。
日本産淡水魚(日淡=にったん)は確かに地味だ。だけど、そのへんの川で地道にけなげに生きているのだと思うと、相当愛しい。だからって飼っちゃ本末転倒なのだろうが、うちの水槽にもほとんど常に日淡はいる。特になつくでも繁殖するでもなく、しかし砂をほっくり返したりにらみ合ったまま双方後ずさりしたり、興味深い暮らしを見せてくれる。今日もどこか、ちょっと遠くてちょっときれいな川で、同じような営みが続いているのだろう。
- 制作日
- 1999
- 画材
- Gペン、耐水カラーインク、水彩絵の具、ワトソン紙
- 掲載物
- 楽しい熱帯魚 1999年10月号
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