タネリの歌のでたらめっぷり。

あらすじを説明しにくいな。だって何がなんやらわからないのだから :p)
ホロタイタネリは子どもである。ホロタイタネリはお母さんと暮らしている。藤蔓を噛んで柔らかくする仕事をしているうちに、早春の野山に誘われているような気がして飛び出してしまう。まだ冬の眠りから覚めない柏の木を遊びに誘ったり、やどりぎをからかったりして遊び歩いているうちに、大きな鴇(トキ)に誘われるようにして、母に行くことを禁じられている森に出てしまう。森の前できたない叫び声にすくみあがったが、そこには「顔の大きな犬神みたいなもの」が立っていた。驚いて家に帰ったタネリに、母は藤蔓を噛んできたかどうか聞く。タネリは藤蔓をなくしてしまっていて叱られたが、「けれどもおいら、一日噛んでゐたやうだつたよ」とぼんやり言うと、母は「さうか。そんだらいい」と、「タネリの顔付きを見て、安心したやうに」仕事に戻るのだった。
ね、わかんないでしょ。藤蔓を柔らかくして服を作るらしいところや、コナラの実を搗いて食べるらしいところ、タネリが風や植物と「でたらめな歌」で交流するところなど、なんだか縄文時代を思わせる。タネリは性別不明だが、私は女の子として描いてみた(どこがだ :p))。
ちくま文庫全集の解説によると、異稿「若い技師」、「若い木霊」の系譜をくみ、「サガレンと八月」で農林学校の助手が風から聞いた(らしい)物語の姉妹編なのだそうだが、いずれも何がなんやらわからない。しかしタネリが随所で歌う歌のでたらめっぷりが面白くて、私は「タネリはいちにち…」がいちばん好きだなぁ。
- 制作日
- 1990-02-05
- 画材
- Gペン、Photoshop6.0
book data
- 作者 / アーティスト
- 宮澤賢治
- 題名 / 収録物
- 「宮澤賢治全集 6」 ちくま文庫 (amazon.co.jpで ISBN:4480020071を見る)
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